ガス機器について1 (現場作業)

湯沸かし器について少しの経験を書いて見る。

もともとが取り付け工事専門で施工してきたが会社が、あるハウスメーカーのガスに絡む工事の一式を受注して都内全域をカバーすることになった。おっさんの務めているところは江東区だった、それまでは江東区の一部に発生するガスに関する作業の内、開栓業務に始まり引っ越しするお客さんのガス代の集金、ガス機器の配達(ガス炊飯器、ガスコンロ、ストーブ等々、ガス機器は使い方を説明してあげないと危険なことがあるため)、小規模なガス工事、工事の伴う風呂釜や湯沸かし器等の関連だったが、ハウスメーカーの業務をするようになって一変した。 おっさん一人で中央、千代田、千代田、港、江東、品川、渋谷、目黒、太田、墨田の10区を受け持つようになった。

バブル期で家を新築する人が多かった(こんなの一人で出来るのかよと思ったが)業務内容はハウスメーカーから送られてくる図面を確認することから始まった。それによりこのお宅はどのような風呂釜を取り付けるのか、ガスオーブンは入れるのか暖房機は取り付けるのか等々確認する。当時はまだ外に取り付ける給湯器付き風呂釜が無かった。

そのため給湯器はキッチン袖に取り付ける給湯器が多く追い焚きは専門の沸かすだけの風呂釜を付けた。給湯機はバランス式と言って給湯器の後ろに大きな穴を開けガスを燃やすための空気を取り入れる方式だった。穴を開けるのは壁の仕上がり面からキッチンの寸法から寸法を追いだしそこから300mm×400mmだったかの開口を開けておく。この寸法の追い出しが結構難しかった。何せそのお宅お宅によって同じと言うのが無いため全部初めてと言えるようなものだった。

風呂釜にしても似たようなもので今でこそ浴槽に直径60mmぐらいの穴一つで済むが当時は上下二個の穴を開けて風呂釜で沸かしたお湯を上の穴から送り込み下の穴から冷たい水を釜側に戻す自然循環式しかなかった。水温は温度が上がると軽くなり上に上がり水温が低いのは自然と下側に来て釜の中を循環して沸かす方式だった。

今みたいなセンサー(現在の機器類はなんにでもセンサーはついている、便利な世の中だ)なんて無かったので何分ぐらいたったら湧き上がるだろうと予想して火を消さないといけなかった。もし忘れて何時間も過ぎるとお湯が沸きあがり蒸発して浴槽のお湯が減って来て上の穴が見えるようになると循環しなくなり空焚きと言う事に成り風呂釜の中を交換と言う事になった、(から焚き防止装置と言うのが付いていたが上手く作動しなかったのが多かった)

今はお湯の温度を電気的に検知しそのような事故は無くなった。(その代わり停電時は全然使えない、停電してあまり時間がたたなければ電気で沸かすエコジョウズなどは貯湯タンクがあるのである程度までは使える、少しずつ冷めて来る)

風呂釜上下2本管の穴あけも大変だった、穴を開ける処は全部基礎でコンクリートである。厚みが120mmあった、今木造は大概が100mm厚だ。決まりでは設備屋さんがスリーブを入れておく決まりだったが直径50mm程度で上下120mmのピッチでスリーブは入れられない、為に100mmのスリーブが入れてあるのが殆どだった。120mmピッチのプラス上下30mmは無いと浴槽との接続が出来ない、自然循環式のため上のパイプは上向きにしないと上手く循環しないのだ、先下がりに成るとお湯の流れが上手くいかず釜鳴りと言う現象が起き大きな音がする。水平でも流れが悪く湧き上がりが安定しない。

先上がりにするためコンクリートの基礎穴を大きくするのだがまず場所が狭い機械が使えない、結局手での作業に成る。大きなハンマーでコンクリ鑿を使っての作業でしゃがんだまま作業でうんざりしたものだ。風呂釜の高さを下げれば解消するのだがグランドライン400mmと言う決めがあるため下げられない。それを忘れて設置すると建物の周りに土を入れた場合釜が土の中に潜ってしまうのだ。すると大雨でも降ると釜に雨が侵入し使えなくなるのだ。基準は守らなければ後にえらい目に合う。

なんせ一人だったもんで常に人手不足で時間がものすごく必要だった。8:30分始業で10分ぐらいのミーテングの後、車のごみを下ろし今日作業分を積み込み準備が終わると早くても9:30分は過ぎて遠い現場は高速を使いあるいは今のお台場の海底トンネルを通りと現場着は早くて10:30を過ぎる、午前中はろくな仕事が出来なかった。一日が終わり帰社して明日の準備をしておきたいが常時20:00頃に成るため明日の準備が出来なかった。一年間はこれが続いて2年目には助手が付いた。楽になるかと思ったが件数が増えてあまり変わらぬ忙しさだった。でも独り立ちしたときこの時の経験が大いに役立ち助かった。   次回に続く

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